学力差の背景にあるものは?
- thinqand
- 9月28日
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中学1年生の時点での学力の差が,以前にも増して大きくなっているように感じます。授業中の理解度,定期テストの結果,そして学習への意欲に至るまで,同じ学年とは思えないほどの開きが見られることもあります。
この現象には,いくつかの要因が複雑に絡み合っていると思います。今回は特に大きな3つの要因に焦点を当て,今後の対策について考えてみたいと思います。
要因①:小学校段階での「学びの個人差」の蓄積
小学校では,学習内容が比較的基礎的であるため,多少の理解不足があっても表面化しにくいことがあります。しかし,その「わかったつもり」が積み重なることで,中学に入った途端に壁にぶつかる生徒が少なくありません。特に算数から数学へ移行したあと,問題で「何を聞かれているのかがわからない」という声もよく耳にします。
要因②:家庭環境・学習習慣の二極化
共働き世帯,スマートフォン・ゲームなどの影響,部活動の度合いにより,家庭での学習時間や習慣に大きな差が生まれています。塾などの外部支援を受けられるかどうかも,学力差に直結する要素です。また,ここ敦賀市では,「学習に対する価値観」が各家庭の間で大きなちがいがあり,声かけの仕方などにもちがいが生じていることと思われます。これは,子どもの意欲に大きく影響します。
要因③:自己肯定感と学習意欲の差
「どうせ自分にはできない」「勉強なんて意味がない」といった思い込みが,学力の伸びを妨げる大きな要因です。逆に,「やればできる」「先生が応援してくれる」と感じられる生徒は,少しずつでも前向きに取り組むようになります。この差は,学力そのものよりも,むしろ「学び続ける力」に直結します。
学力の差は,単なる点数の違いではありません。そこには,これまでの学びの積み重ね,家庭や学校での環境,そして何より「自分はできる」と思える心の状態が深く関わっています。そして,学力差の背景には,「能力の差」ではなく,「環境の差」「経験の差」「気持ちの差」があると思います。

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